共同研究

1-1.漁場利用の比較研究

平成24年度 第1回共同研究会 〜報告書刊行を振り返って〜

日程: 2013年 3 月 30 日 (土) ~ 31日(日)
場所: 神奈川大学 歴民会議室
参加者: 田和正孝、安室 知、若林良和、河原典史、橋村 修、越智信也(研究協力者)

 「漁場利用の比較研究」班の成果報告書(国際常民文化研究叢第1巻)が、3月に刊行された。本報告書は各班員、研究協力者の3年間にわたる調査研究を基礎として成果を問うたものである。研究のさらなる深化を示せたものと自負している。ただし、本年度は論文執筆を中心にしていたことから、メールによる会議・研究会が中心となり、一堂に会する機会を設けることができなかった。そこで、年度末の今回の研究会では、各自が報告書に盛り込んだ研究内容を紹介するとともに、論文のエッセンスについて解説し、あわせて今後の研究課題について言及した。
 安室は、論文「百姓漁師の漁場認識」の中で、ヤマタテの技法と空間認識、イソネをはじめとする海底地形の認識について詳細な報告を仕上げた。当日は、モグリやミヅキといった磯漁の漁場利用と空間認識について討論した。
 若林は、集魚装置漁業に関する2編の論文をものした。本プロジェクトの実地調査において得た未発表資料が残されていること、それらを今後とも発表してゆくとの計画を披歴した。
  橋村は集魚装置漁業に関する論文を2編、南米コスタリカのシイラ漁業についての報告1編を執筆した。今回の調査を踏まえ、集魚装置漁業(パヤオ)とシイラ漁業に関する1書を編む計画である。
 河原は、カナダにおけるに日本人移民漁業者の漁場利用をいわば社会史的な側面も視野に入れて2編の論文を執筆した。これまでの日本人のカナダ移民に関する歴史地理学的研究の一部を形づくる。新たに鹿児島県枕崎において情報収集を開始するという。また、一連の研究で精緻化された種々の調査方法、分析方法に関する論文を執筆予定である。
 越智は、宝暦期の陸奥国における2村の境相論を紹介するとともに、今後さらに文書資料を分析する大きな可能性を報告した。
 田和は、台湾のにおける近代期の石干見漁業について論文を執筆したが、研究会では、石干見研究を地域に還元する可能性について情報を提供し、各メンバーから意見を得た。 (田和 正孝)

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— 共同研究者の連携強化に関わる 第9回公開研究会 「台湾における物質文化研究の現状と課題」の参加報告 —

日程:  2013年 3月 16日(土)
開催場所: 神奈川大学横浜キャンパス
参加者: 若林 良和

 ~ 台湾の生業・産業分野に関する博物館の現状把握 ~

 第9回公開研究会「台湾における物質文化研究の現状と課題」では、王報告「台湾における原住民の物質文化研究について」と黄報告「台湾における民俗系博物館の現状と課題」があった。2報告ともに、示唆的な内容であった。王報告に関しては、政治イデオロギーの問題を直視しつつ、物質文化研究を多面的に展開していく必要を感じた。黄報告については、民俗系博物館における生業・産業分野の動向が把握でき、また、博物館活動の活性化を目指して台湾での地域間連携や日中韓の国際連携の重要性を痛感した。両報告とも、今後、台湾において漁撈文化・漁撈民俗の研究を推進するにあたって有意義であった。 (若林 良和)

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公開研究会「台湾における物質文化研究の現状と課題」 (終了報告)

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