民族学振興会およびその前身の民族学協会は、1934年に設立された日本民族学会(現在の文化人類学会)と連携し、エスノグラフィーに基礎を置く学術研究の組織的活動を支えてきた。1999年の解散にともなって、その所蔵資料は神奈川大学日本常民文化研究所に寄贈されている。学会活動を裏付ける資料の根幹であるが、解読は未だ手つかずである。これを研究者が利用可能な形態に整え、これを活用して主に第二次大戦から占領期の民族学・文化人類学の変遷を明らかにすることが本プロジェクトの目的である。その成果は、各地に分散している関係資料群を適切に結びつけた包括的な学史の再検討に向けた基礎となるであろう。資料の精査に加え、組織的な民族誌調査がおこなわれた現地の追跡調査により新情報を発掘し、英米を中心に展開した人類学理論や調査方法論からの影響を検証するほか、同時期の学術界一般、さらには日本社会の時代状況における民族学会の位置と役割を明らかにしたい。
公開研究会
国際常民文化研究叢書4・11
□ 国際常民文化研究叢書4
—第二次大戦中および占領期の民族学・文化人類学—
2013年3月刊行
□ 国際常民文化研究叢書11
—「民族研究講座」講義録—
2015年3月刊行
氏名 | 専門 | 所属機関 | ||
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代表者 | 泉水 英計 | せんすい ひでかず | 社会人類学 | 神奈川大学 |
共同研究者 | 菊地 暁 | きくち あきら | 民俗学 | 京都大学人文科学研究所 |
共同研究者 | 木名瀬 高嗣 | きなせ たかし | 文化人類学 | 東京理科大学 |
共同研究者 | 金 広植 | Kim Kwangsik | 歴史民俗学 | 東京学芸大学 |
共同研究者 | 坂野 徹 | さかの とおる | 科学史 | 日本大学 |
共同研究者 | 重信 幸彦 | しげのぶ ゆきひこ | 民俗学 都市生活文化研究 |
国立歴史民俗博物館 |
共同研究者 | 清水 昭俊 | しみず あきとし | 文化人類学 | 国立民族学博物館 |
共同研究者 | 谷口 陽子 | たにぐち ようこ | 文化人類学 | 専修大学 |
共同研究者 | 中生 勝美 | なかお かつみ | 社会人類学 | 桜美林大学 |
共同研究者 | 三浦 啓二 | みうら けいじ | 日バルカン関係 ルーマニア民俗学 |
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研究協力者 | 田口 理恵 | たぐち りえ | 文化人類学 | 東海大学 |
研究協力者 | 王 京 | Wang Jing | 民俗学 日中関係史 非文字研究 | 北京大学 |