ブラジル国サンパウロ州レジストロ植民地における民具からみた日本移民の生活史の研究
ブラジル各地の日本移民史料館には収蔵品としての民具が散見されるが、これらに焦点を当てた総括的な研究はおこなわれていない。一方、レジストロ植民地での日系移民の生活史は記念誌等によりその記録が整理されつつあるが、移民たちの生活に不可欠な要素であったはずの民具については看過される傾向がある。そこで、レジストロ植民地に残る民具について集約的な調査をおこない、入手経路や製作方法、使用方法といった関連情報とあわせて記録化することで同地の生活史資料を拡充するとともに、レジストロ植民地の民具記録を基点に、ブラジル各地の日本移民史料館が収蔵している民具の総括的な比較研究への足掛を確立することが本研究の目的である。
具体的な成果として期待しているのは、第一に研究報告書であるが、現在では日系社会でもポルトガル語は常用されている点は看過できない。
そこで、本研究では二カ国語で研究報告書を作成し、日本とブラジルの双方での民具記録の活用に寄与したい。第二に成果として期待しているのは、本研究の調査の過程で発見されるであろう民具である。レジストロ日本移民史料館の収蔵品に民具は極めて少ないが、植民地に残存する民具の情報を把握し、レジストロ日本移民史料館の活動を充実させたい。
【研究・成果報告期間】2019年4月1日~2022年3月31日
神奈川大学日本常民文化研究所調査報告 第30集 (国際常民文化研究機構 共同研究[奨励]調査報告書)
第9回共同研究フォーラム 国際常民文化研究機構・共同研究(奨励)成果発表会
第9回共同研究フォーラム「ブラジル国サンパウロ州レジストロ植民地における日本移民の生活史」(2021年11月6日)終了報告
第9回共同研究フォーラム 共同研究(奨励)成果発表会「ブラジル国サンパウロ州レジストロ植民地における日本移民の生活史」2021年11月6日(土)オンライン開催(終了)
氏名 | 専門 | 所属機関 | ||
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代表者 | 福澤 一興 | ふくざわ かずおき | 郷土史 | レジストロ日伯文化協会 |
共同研究者 | 清水 ルーベンス 武 | しみず るーべんす たけし |
農業技師 | レジストロ日伯文化協会 |
共同研究者 | 肱岡 明美 | ひじおか あけみ | 建築学 | Instituto Federal de São Paulo - Câmpus Registro |
共同研究者 | 吉村 竜 | よしむら りゅう | 社会人類学 | 日本学術振興会/埼玉大学 |
共同研究者 | 永井 美穂 | ながい みほ | 日本民俗学 | 渋沢史料館 |
共同研究者 | 泉水 英計 | せんすい ひでかず | 社会人類学 | 神奈川大学 |