共同研究

ブラジル国サンパウロ州レジストロ植民地における民具からみた日本移民の生活史の研究

第9回共同研究フォーラム「ブラジル国サンパウロ州レジストロ植民地における日本移民の生活史」終了報告

日程:2021年11月6日(土)9:30~12:30
会場:Zoomミーティング
発表者:ブラジル班/福澤一興、清水ルーベンス、肱岡明美 日本班/永井美穂、吉村竜、泉水英計
ポルトガル語・日本語同時通訳:岡アルナルド正人

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この地図は、現在のレジストロの地図に植民地の地図を重ね、植民地時代の道路(黒)と実地調査した現在の道路(赤)を示したものである。
緑のマークは調査家族耕地 *Base map and data from OpenStreetMap and OpenStreetMap Foundation

総合討論

 2021年11月6日(土)午前9時30分より12時30分(日本時間)まで、本共同研究の成果報告会として第9回共同研究フォーラムを開催した。共同研究のメンバーが日本とブラジルの2カ国に分かれているので横浜とレジストロの2つの会場を結んでの開催となった。報告では日本語とポルトガル語の2カ国語が用いられ、ブラジルからの聴衆も多かったのでポルトガル語の同時通訳を付けた。
 口頭発表の内容は、まず、福澤が共同研究の概要を紹介し、引き続き「移住者の生活史」と題して移住者と植民地の半世紀の変遷について報告を行った。次に肱岡明美が「レジストロ移民建築」をとりあげ、バストスとトメアスーという2つの日系植民地の移住者住宅と比較することでレジストロ植民地の移住者住宅の特徴を示し、レジストロ植民地の第1期および第2期住宅に取り入れられた先住民住宅の建築技法に考察を進めた。3番目には、清水ルーベンスにより自身の属する清水家について、その入植時から現在に至るまでの出来事を、祖父の事業と日々の暮らしの詳細を折り合わせつつ報告した。続いて、横浜の会場から永井美穂が「レジストロ移民史料館の可能性」について、史料館の来歴と、現在抱えている問題、さらに史料館のあるべき姿につき発表した、引き続いては、吉村竜が「農業からみた移民集住地」をテーマに、戦後に入植を開始した高原地帯のピラール・ド・スール植民地の歴史を紹介し、レジストロ植民地との相違点と共通点を指摘した。最後に泉水英計がレジストロ植民地に残されていた文献とそれに関わる出来事を紹介した。総ての報告が終了して質疑応答に入ると、日本語でもポルトガル語でも質問が多数つづき予定終了時間が超過したが無事に終了した。

(文責:福澤一興)

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