共同研究

台湾の「海女(ハイルー)」に関する民族誌的研究—東アジア・環太平洋地域の海女研究構築を目指して—

2019年度 伊豆下田予備調査

日程:2019年5月3日(金)〜5月5日(日)
調査先: 静岡県下田市須崎地区
調査者: 齋藤典子

2019年5月5日 ひじき漁の解禁初日。家族総出でひじきを刈る須崎の住民

 予備調査の目的は、6 月下旬から7月上旬にかけて行う本調査に向けて、限られた日程の中で目的を可能な限り満たす受け入れ態勢を整備する事にあった。今回は、八斗子漁村文物館から許焜山氏の参加が予定されていた。許氏は、調査目的に潜水漁を行う海女(海士)の漁場環境の調査を挙げた。その一つが、海女が潜水漁を行う漁場で自らも潜水を行い、藻類の植生、貝や魚の種類や分布、水温、潜水の深さ、使用する道具、漁場の地形などを自分の目で確かめる事であった。

 静岡県下田市須崎地区は、筆者が20年に渡り、海女の調査をしてきた土地である。そのため、漁業協同組合、須崎区長、須崎区総代会などの協力で関係先への承諾も短時間で得る事ができた。しかし、思わぬ問題が出現した。須崎地区では、海藻と貝の入漁日が細かく定められており、誰でも簡単に海に入ることができない。さらに悪天候や葬式、祭りがあると禁漁になる。その為、調査の日程調整が大変な上、海女の漁撈活動が諸条件に制約されている事を改めて知る事となった。
                    
 今回の予備調査中に例年より1カ月遅れでひじき漁が解禁(口開け)となり、須崎地区の住民がひじき漁を行う様子を初めて観察することができた。ひじき漁は、須崎地区の住民で漁業協同組合員であれば、誰もが参加できる。当日は朝7時頃から鎌を片手に籠を背負い、家族総出で恵比須島や爪木崎灯台下の岩場でひじきを刈る光景が見られた。ひじきは刈るとすぐ、3〜4日干さなくてはならない。そのため、好天を見計らって、口開けを行う。その後、11月頃になり、販売用のひじきはドラム缶を改良した釜で2時間ほど煮る。そして天日で2〜3日乾燥させて製品にする。須崎のひじきは、長ひじきで美味しく、30g700円で販売される。

 (文責:齋藤典子)

2019年度 伊豆下田予備調査

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