共同研究

民具の機能分析に関する基礎的研究

2018年度砺波民具調査および第4回共同研究会

日程:2018年11月9日(金)~11月11日(日) 
調査先:富山県砺波市(となみ散居村ミュージアム、砺波民具展示室)、氷見市(中央公民館、市立博物館)
参加者:神野善治、眞島俊一、山田昌久、山川志典、佐々木長生、川野和昭、鍋田尚子、安カ川恵子、長井亜弓
    砺波/脊戸高志、齊藤恵子、新藤正夫

新藤正夫氏より砺波の農具の使用実態についてレクチャーを受ける

砺波郷土資料館関係者と本調査メンバー(砺波民具展示室にて)

 砺波市の民具類の収蔵数は、平成28(2016)年3月現在、約1万2,000点を数える。そのうち、6,900点は国の重要民俗文化財に指定されており、そのうちの6,000点あまりが砺波民具展示室に収蔵されている。今回の調査では、最初に「となみ散居村ミュージアム」を訪問。これら民具の使われていた砺波の地理・地勢的条件の理解を深めるとともに、重要民俗文化財指定民具の一部が収蔵されている併設の「民具館」の展示品を確認した。ここには、さまざまな民俗資料とともに、来館者の声を集めた「昔のお話ノートより」というファイルが自由に閲覧できるようになっており、民具を実際に使用していた人々の生のつぶやきが収録されている。今後、民具リストを充実させる貴重な資料の発見となった。
 砺波民具展示室訪問では、2018年4月に砺波郷土資料館館長に就任された脊戸高志氏に継続した調査協力をお願いするとともに、図録『砺波の民具』製作の中心となって尽力された砺波郷土資料館元館長の新藤正夫氏にもお越しいただき、民具が実際の場面でどのように使われていたのかをレクチャーしていただいた。参加メンバーからは次々に質問が飛び、持ち方、装着の仕方、使用姿勢等々、確認を進めることができた。
 2日目は宿泊先の会議室を借りて第4回共同研究会を実施。ベトナム調査でそれぞれが持ち帰った記録について、共通認識をはかると共に、今後の研究方向について話し合った。さらに、3日目は民具学会に参加し、以下3名のメンバーが民具の機能にかかわる研究発表を行った。

◯日本民具学会第43回大会 11月11日(日)第2日目

 山田昌久「出土編物復元研究から考える編物の技法名・構造名・素材管理の再検討」
 川野和昭「ラオスの捕る・獲る民具—その形態と機能—」
 神野善治「漁撈用具の形態と機能—民具の形態から機能を読み解く—」

(文責:神野善治)

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