共同研究

民具の機能分析に関する基礎的研究

2019年度 砺波民具調査

日程:2020年2月4日(火)・2月5日(水) 2日間
調査先:砺波郷土資料館、砺波民具展示室ほか(富山県砺波市)
調査者:神野善治、長井亜弓

「バイタ(ニョウ叩き)」と呼ばれる農具を手にする脊戸館長と撮影を行う筆者

 本プロジェクトでは、民具の「機能と形態」の分析に際し、辞書に掲載されているような「概念的な民具」ではなく、「それが実際にどう使用されていたか」という情報が記録された「具体的な民具」を対象にすべきだと考えている。そこでその第一歩として、優れた民具コレクションのなかから富山県砺波市が所蔵する重要有形民俗文化財「砺波の生活・生産用具」を対象に調査・分析を進めてきた。
 3年にわたるプロジェクトも最終年度を迎え、まずはご協力いただいてきた砺波郷土資料館の脊戸高志館長に現在の進捗状況を報告。あわせて今後の報告書作成へのご助力をお願いした。
 なお、「砺波の生活・生産用具」の重要有形民俗文化財への指定は6,900点を数えるが、時間的な制約なども鑑み、本プロジェクトで分析対象としているのは、指定を受ける前に上梓された『砺波の民具』(2006年)掲載の3,500点のうち、同形としてまとめられるものを1種類として選択した1,200点ほどである。ふだんは『砺波の民具』を参考に作業を続けているが、今回の調査では写真や文字資料ではわからない細部について、実際の民具資料に当って確認する作業を中心に行った。幼少期に家族とともに砺波地方の農作業を経験されている脊戸館長から、民具が使われていた当時の思い出を語っていただきながら実演してみせてもらうなど、興味深い記録を数々収集することができた。

(文責:神野善治)

「2019年度 砺波民具調査」

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