共同研究

宮城県気仙沼大島における遠洋漁業の歴史的変遷に関する研究—震災救出資料を中心として—

平成29(2017)年度 第6回定例研究会報告

日程:2017年10月23日(月) 午後1時30分~午後3時30分
場所:大島漁協文庫
参加者:千葉勝衛、小山由紀子、菊田榮四郎、水上忠夫

第6回定例研究会

1、昭和20年~昭和40年代の気仙沼地方のカツオ漁について
 1)マッカーサーラインの制約(近海全面禁止より逐次解除)
 2)大島の漁船員の乗船カツオ船
  前川漁業部 1栄丸(木造、90トン)2栄丸(木造、185トン)
  小野寺賢蔵 八千代丸(昭和26~30)
  気仙沼町経営者 長功丸、海晴丸、幸栄丸
  県外経営者 福田丸、香取丸、拓洋丸、東日本丸、寿和丸
 3)大島の経営者—前川稲四郎、小野寺賢蔵
 4)船頭—復員してきた若手の船頭が多い
 5)船員—1船に60人位。年齢16~50歳
  ・船の燃料、食料などは水揚高に応じて配給された。
  ・漁船員に対して米の特別配給があった。
 6)航海と賃金
  ・気仙沼港を母港として1航海1か月位で帰港できた。
  ・前賃金—乗船する時、100円位借りられた。盆、正月にも借りられた。入港時にも入港遣いを借りた。
  ・勘定—漁期末(10月頃)に切り上げ勘定となる。
ア、総水揚金から燃料、食料、餌代など経費を差し引き純利益を計算する。
イ、純利益を船主70%、乗船員30%に分配する。
ウ、乗船員分の個人配当は歩合制(代分け)を行なった。乗船員60人の時は、63人分に割って1人前1代を決める。
エ、船頭は2代、船長、機関長、通信長は1.5代に分ける。一般船員は1代である。
オ、前記の個人毎配当から前借分を差し引き個人毎現金支給額が決まる。
カ、勘定は漁期毎に行い、その間生活費などに入用のときは経営者から前借りができた。

2、賃金改善への運動
 1)三浦三崎や福島地方の船で昭和30年代に歩合制度の改善や大仲経費方式が行われるようになった。
  気仙沼港から漁船員が、この地方に流出し地元は漁船員不足になった。
 2)唐桑では漁夫組合を大正時代から作り賃金や待遇改善が行われていた。戦後も漁夫組合が中心になり経営者と賃金交渉し、昭和25年には唐桑方式を確定させた。
  ・経営者の取り分は72%、船員取り分28%+2人分船主負担とする配分法を決めた。
 3)昭和24年農林省実施「気仙沼地方のカツオ船調査」について
  (1)気仙沼経営者船11隻 唐桑経営者船16隻 大島経営者船2隻 合計29隻
  (2)乗船船員と船頭の出身地—船員は船頭出身地が多い
  (3)前借の有無—10隻は前借ありと回答
  (4)歩合—経営者:船員の比率 70:30—11隻 72:28—17隻 不明—1隻
3、航海日数について
 1)昭和20年~30年代—2、3月航海で母港へ水揚げ
 2)昭和30年~40年代—5、6月航海で、三崎、東京方面に水揚げ
 3)昭和30年代から、1航海勘定となる。東京方面水揚げが多くなり船員家庭では精算した勘定を受取るため家族が三崎、東京、清水などの港へ出向くようになった。 

(文責:千葉勝衛)

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平成29(2017)年度 第5回定例研究会報告

日程:2017年9月25日(月) 午後1時30分~午後3時
場所:大島漁協文庫
参加者:千葉勝衛、小山由紀子、菊田榮四郎、水上忠夫

第5回定例研究会

1、外畑家文書第2集の確認について報告
・同家で所蔵していたが前回まで確認できなかったのを、9月5日に発見することができた。
・第2集目録によれば資料は120点である。
・改めて次の手順で整理作業を行った。
(1)整理要領による分類と保存袋入れ。
(2)意味不明の断簡は3袋に一括して袋入れして保存。
(3)年代・分類ごとに2集のみ仮通番号(鉛筆)で記入。
(4)保存箱No.20に入れた。
・1~7集までの総目録の作成—平成30(2018)年3月まで予定
2、徴用船資料について
・防衛研究所所蔵「第1~6監視艇対戦時日誌・戦闘詳報」について
(例)工進丸(昭和19年8月4日北太平洋で沈没、大島船員3名戦死)
工進丸の監視行動表と戦闘詳報と生存帰還者の手記について(小山貞蔵、菅原繁男手記)
工進丸乗員を救助した勇勢丸下士官の話など
・作戦行動資料として記述すること
3、「戦後の遠洋漁業」について
・大島の漁船経営者「前川漁業部」について
徴用船岩手丸の最後と勢力丸のこと
第1栄丸の建造(大槌造船所)で昭和22年進水
第2栄丸(計画造船を改装して漁船に)
第3栄丸(三重県強力造船所で進水)
・各船の船頭と船長について
小野寺亀松・菊田栄之・菊田利夫
・帳場(事務所)について
浦の浜の自宅を事務所にしていた。
後に内の脇に事務所と納屋を建築し子息が帳場をしていた。
・乗船者の話や資料について後継者などから聞き取るようにする。
4、その他
・11月の定例会について
研究のまとめ方について指導を受ける。

(文責:千葉勝衛)

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平成29(2017)年度第4回 定例研究会報告 外畑家(小山家)文書整理作業

日程:2017年8月25日(金)~8月27日(日)
場所:浦の浜自治会館(気仙沼市浦の浜)、小山家
参加者:千葉勝衛、小山由紀子、菊田榮四郎 

小山家(外畑)文書整理作業

1、研究のまとめと報告書についての計画
(1)はじめに—大島の概要、研究の主題と設定理由、研究の分担など— 
(2)和船時代の漁業—和船の経営者、和船の構造、和船の職制、和船の漁獲と分配、雇傭と分配、和船の習俗—
(3)機械船の発達—機械船の導入、経営者、遠洋奨励法助成船、共栄丸の経営、大新丸の建造、菅原村長の漁船員対策、船舶職員免許状制度と養成講習、徴用船の戦い、餌買日記-
(4)戦後の遠洋漁業—マッカーサーライン、新山丸賃金問題、昭和26年遠洋漁船実態調査、鮪専用漁船の出現、広がる漁場、長期航海、資源の国際管理、乗船員不足問題、船頭への道—
(5)まとめ
2、執筆分担
(1)はじめに、まとめ—千葉勝衛
(2)和船時代—千葉勝衛、小山由紀子
(3)機械船時代—水上忠夫
(4)戦後遠洋漁業—菊田榮四郎
3、執筆予定—平成30(2018)年4月-7月
4、小山(外畑)家文書の整理と利用について
(1)収納袋(中性紙封筒)に入れ、標題記入、通し番号記入—完了。 
(2)収納箱(中性紙箱)に入れる—1~8号まで収納完了。 
(3)今後『外畑家文書目録』作成—平成29(2017)年12月予定。
5、徴用船資料について
(1)防衛省防衛研究所図書館所蔵「22戦隊戦闘日誌」について—国宮丸、海形丸、工進丸、岩手丸、開運丸の複写資料について
・必要個所を抄出して利用する予定。
6、11月の研究会の予定
(1)日程:2017年11月23日(木)午前10時~午後3時
(2)参加者:千葉勝衛、菊田榮四郎、水上忠夫、小山由紀子、川島秀一、蝦名裕一、大川啓
(3)予定:
 ・外畑家文書の整理と管理について—同家で1時間程の研究会を予定。
 ・研究のまとめ、構想について(大島公民館にて、2時間を予定) 
  
【小山家(外畑)文書整理作業】
(1)8月25日(金)午後1時~5時まで、小山家(外畑)にて文書箱の組み立て作業と収蔵資料の点検、作業手順の打ち合わせを行った。
(2)8月26日(土)午前9時~午後5時(浦の浜自治会館)
 ・資料の運搬、必要機材の持込み、会場設営。
 ・資料番号100番代(藩政時代の村政資料)中分類作業。
 ・資料番号200番代(藩政時代の家事資料)中分類作業。
 ・資料番号300番代(明治時代の村政資料)中分類作業。
 ・資料番号400番代(明治時代の家事資料)中分類作業。
(3)8月27日(日)午前9時~午後5時(浦の浜自治会館)
 ・資料番号100番代の年代、種類毎配列作業。
 ・資料番号200番代の年代、種類毎配列作業。
 ・資料番号300番代の年代、種類毎配列作業。
 ・資料番号400番代の年代、種類毎配列作業。
 ・100、200、300、400番代各資料配列順に通し番号記入。
  (補助カード抜き取り、番号記入)
 ・収納箱入れ作業—適切な分量に区切って箱入れ。箱毎に表示カードを記入して取り付け。箱番号1~18まで収納。
 ・小山家(外畑)に収納箱を運搬—同家2階に格納。
(4)今後の作業
『外畑家文書目録』の作成と印刷、製本30部、平成29(2017)年12月完了予定。

(文責:千葉勝衛)

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