共同研究

昭和戦前期の青年層における民俗学の受容・活用についての研究

2018年度 第3回研究会の開催

日程:2019年1月26(土)~1月27日(日)
会場:神奈川大学日本常民文化研究所
参加者:丸山泰明、小熊誠、木村裕樹、小林光一郎、黛友明、室井康成

 神奈川大学日本常民文化研究所にて、今年度第3回目となる研究会を開催した。
 1月26日には、黛友明が「郷土舞踊と民謡の会における運営と演出」と題して発表した。日本青年館を会場として催された郷土舞踊と民謡の会(1925年から1936年まで全10回開催)は単なる民俗芸能の上演イベントではなく、民衆の趣味向上や民衆娯楽研究を目的の一つとした日本青年館の事業として行われていたことを示し、同時代的意味を確認した。その上で舞踊研究家である小寺融吉の演出について批判的に検討した。発表後の討論では、日本青年館での調査で発見された第8回郷土舞踊と民謡の会(1934年)の舞台写真なども見ながら、演出・上演のあり方について議論した。
 1月27日には木村裕樹が「副業生産と村落—郷土資料陳列所がめざしたもの」と題して発表を行った。同時期のアチックミューゼアム(今日の神奈川大学日本常民文化研究所)によって収集された民具とも比較しながら、日本青年館内にあった大日本連合青年団郷土資料陳列に集められた資料の特徴を検討した。その上で、郷土資料陳列所が、販売品として製作された生活道具や紡織・染色などの原材料を収集したり、郷土工芸に対する研究補助を行っていたりしたことを示し、副業生産による村落経済の向上を目指していたことを指摘した。発表後の討論では、同時代における農山漁村経済更生運動や民藝運動とも関連づけながら議論した。また、研究発表の後、今年度の残りの期間における調査のスケジュールや、来年度に刊行する報告書の内容・構成についての打ち合わせを行った。

(文責:丸山泰明)

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日本青年館での調査

日程:2019年1月7日(月)~1月8日(火)
調査先:日本青年館
調査者:丸山泰明、黛友明

 日本青年館の図書・資料センターにおいて、戦前期のものを中心に、民俗や郷土に関わる資料の調査と写真撮影を行った。具体的には、郷土舞踊と民謡の会や郷土資料陳列所、副業品の展覧会などについて、日本青年館や大日本聯合青年団の事務書類、および『日本青年新聞』などを調べ、その実態をより明らかにする作業に取り組んだ。
 また、これまで調査によって、民俗学者の瀬川清子による若者組・娘組についての昭和10(1935)年の日付をもつ聞き書きの報告書が存在していることがわかっていたが、今回の調査の結果、瀬川の他に民俗学者の関敬吾による聞き書きの報告書も存在することが新たにわかった。これらの民俗学者と日本青年館・大日本聯合青年団の関わりについて、さらに調査を進めていくことにしたい。

(文責:丸山泰明)

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