熊野水軍小山家文書の総合的研究
駿府城跡出土遺物観察調査・久能山東照宮博物館調査
日程:2020年2月28日(金)~2月29日(土)
調査先:静岡市駿府城跡発掘調査事務所、久能山東照宮博物館(静岡県静岡市)
調査者:北野隆亮
静岡市駿府城跡発掘調査事務所 駿府城跡発掘調査現場
久能山東照宮博物館 久能山東照宮境内
2月28日(金)〜2月29日(土)の日程で、静岡県静岡市において資料調査と現地確認調査を実施した。28 日(金)は、静岡市の駿府城跡発掘調査事務所において、駿府城跡の出土遺物の観察調査を行った。特に、白浜町安宅本城跡第5次調査で鉛製鉄砲玉3点が出土していることから、駿府城跡から出土した円錐形鉛インゴット(紀伊北部地域に出土事例有。タイ国ソントー鉱山周辺産出の輸入品、主用途が鉄砲玉の原材料とされる。北野隆亮「紀伊における戦国時代の鉛インゴットと鉛製鉄砲玉」『鋳造遺跡研究2018』鋳造遺跡研究会、2018年)や鉛製鉄砲玉などの観察調査を実施した(静岡市教育委員会『駿府城跡Ⅲ(遺物編・自然科学分析編)』、2007年)。その後、円錐形鉛インゴット出土地点など駿府城跡の発掘調査現地の見学を行い、紀伊国との遺跡比較や遺物の関係を探り、遺物を通じた流通の検討を行った。2月29日(土)は、円錐形鉛インゴットが徳川家康関係の遺物とみられることから、久能山東照宮博物館で家康関係遺物の火縄銃などを見学し、その後、久能山東照宮境内の見学を行い、紀伊国との遺跡立地や遺物の類似点などを確認した。
(文責:北野隆亮)