共同研究

ブラジル国サンパウロ州レジストロ植民地における民具からみた日本移民の生活史の研究

サンパウロ州内の農具の比較研究

日程:2019年12月25日(水)~2020年1月7日(火)
調査先:ブラジル連邦共和国サンパウロ州レジストロ市
調査者:福澤一興、肱岡明美、清水ルーベンス武、泉水英計、吉村竜

  ■ レジストロのイグサ畑  ■ レジストロの茶畑

 本調査では、サンパウロ州内の日系人居住地において使用されてきた農具について、レジストロとその他の地域の日系コミュニティのデータを整理し比較分析を行うため、2019年12月25日(水)から2020年1月7日(火)にかけて、まずはレジストロの「農業」に関する日系人への聞き取り調査を実施した。
 本調査では、1950年代にレジストロに移住してきた人々(または当地で生まれ育った人々)のライフヒストリーの聞き取りとともに、日系人会館で催される忘年会(12月29日)および新年会(1月1日)への参加を通じて、当地の農業(イグサ、茶、バナナなどの生産)にまつわる、知識・技術の移転や改良(応用)のプロセスを確認した。併せて、レジストロ植民地内部で振り分けられた各地区の視察を通じて、各地の風景と、そこで生きてきた人々の農業にまつわる歴史的記憶の一断片を、地図に落とし込みながら語りのデータとして記録した。
 そのうえで、レジストロ植民地においては、特にサンパウロ州の日系農家の多くが所属していた日系農協(1920年代~1990年代)の専属技師や、1950年代以降に移住してきた日本人(戦後移民)、学校の先生などの様々な歴史から成るアクターが、当地の農業の知識や技術を構成してきたということが、本調査によって、より具体的に確認することができた。

(文責:吉村竜)

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