共同研究

1-3.環太平洋海域における伝統的造船技術の比較研究

第2回国際シンポジウム 公開研究会 所感

国際常民文化研究機構 第2回国際シンポジウム “モノ”語り-民具・物質文化からみる人類文化-
日時: 2010年12月11日~12日

Session III  司会、コメンテータの3氏

 本研究班は日本を取り巻く環太平洋海域における伝統的船舶作りの現状について比較を行っているが、本セッションでは従来のように民具としての船そのものの形態や構造の比較を目的とはせずに、船の乗り方あるいは作り方における身体技法、すなわち身体を製作用具そして船そのものとどのように一体化させるか 分析する視点をもって追究した。
 とくに本セッションでは、櫂や櫓あるいはパドルといった船の人力的推進具の使い方と身体技法との関係を示し、たとえば同じ櫓や櫂を同じ人間が状況に応じてどのように使い分けているかといった実践論的議論を行った。

赤羽正春氏 板井英伸氏

昆政明氏 実際に櫂を使ってみせる洲澤育範氏

❂2日目 セッションIII 「フネとカラダ-フネの構造と漕法」❂
(環太平洋海域における伝統的造船技術の比較研究班 代表 後藤明)

➲第2回国際シンポジウム “モノ”語り-民具・物質文化からみる人類文化- の終了報告

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調査(愛知県) 【 南山大学所蔵資料(アウトリガーカヌー)の調査 】

日程: 平成22年 9月 26日 (日) ~ 27日 (月)
訪問先: 南山大学人類学博物館(愛知県名古屋市千種区)
実施者: 石村 智、後藤 明

 シューテン諸島はニューギニア島北海岸部の北に位置する離島で、ニューギニア本島で大多数を占めるパプア諸語集団とは異なるオーストロネシア語族集団が居住しており、オーストロネシア語族の文化に特徴的なアウトリガーカヌーを使用している。しかしその様式は、パプア諸語集団に属するセピック河流域の集団の文化の影響を受けており、文化接触の例を示すユニークなものである。
 シューテン諸島のアウトリガーカヌーに関する先行研究は乏しく、資料を収蔵する博物館も限られているが、我が国には偶然、1960~70年代に収集されたと考えられる2艘の資料が、それぞれ沖縄海洋博記念公園海洋文化館と南山大学人類学博物館に所蔵されている。この2艘の資料を比較することが本調査の目的であり、すでに前者の資料は平成22年7月に調査済みである。
 今回の調査では後者の資料について、詳細な実測図を作成し、写真撮影をおこなった。その結果、前者の資料と多くの共通点がみとめられたものの、いくつかの相違点も指摘することができた。これから両資料を詳細に比較検討していくことで、これまで明らかでなかった当該地域のカヌー文化の様相を解明していく予定である。 (石村 智)

シューテン諸島のアウトリガーカヌー シューテン諸島のアウトリガーカヌー

写真左上 【シューテン諸島のアウトリガーカヌー 南山大学人類学博物館所蔵】
写真右上 【シューテン諸島のアウトリガーカヌー 沖縄海洋博記念公園海洋文化館所蔵】

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調査(北海道、青森) 【 アリュート・バイダルカの構造調査およびムダマハギの熟覧 】

日程: 2010年9月14日(火)〜17日(金)
訪問先: 函館・市立北方民族資料館・市立函館博物館恵山収蔵庫・青森県立郷土館
実施者: 洲澤 育範

1) 北海道アイヌ協会函館支部・支部長に面談。アイヌ民具の収蔵状況を聞き、アイヌ舟・イタオマチプでの実証航海を検討する。航海法の復興・伝承も必要と考える。 

2) 市立函館博物館恵山資料館にて、1973年・北海道大学の学生が復元(函館市北方民族資料館収蔵のバイダルカの外殻を正確に計測)したアリュート様式カヤック・バイダルカを熟覧。
 カヤック内に足を入れ,乗り具合を確認したかったが、船体骨組みの部材と部材を接着剤で接合している部分が外れており、強引に足を入れると壊れそうなので断念した。カヤック内に足を入れることにより、当時の人々の膝関節などの柔らかさを知ることができる。

北海道大学の学生が復元したバイダルカ 同バイダルカの3番目のコクピットに足を入れようとしているところ

写真左上 【北海道大学の学生が復元したバイダルカ】  
右上 【同バイダルカの3番目のコクピットに足を入れようとしているところ】

☞ アリュートバイダルカの構造について

3) 函館市北方民族資料館にて、1875年千島列島の新知島で収集された、アリュート様式カヤック・バイダルカの内部構造・骨組みの詳細撮影(動画・静止画)を、はこだて未来大学・川嶋教授の協力を得、同館学芸員・大矢京右氏が行う。
 カヤック・獣皮舟はその外殻をアザラシなどの海獣の皮で覆われているため、内部構造を調査するのは困難なことだ。しかし、カヤックの最大の特徴はその骨組みにある。特にアリュートのバイダルカは他に類を見ない程、哺乳動物の骨格(関節のような構造)ににせ、精巧にその骨組みを組上げている。
 アリュートの木工の技術もさることながら、部材を結束する極めて細い糸(髪の毛程度)の撚り方、また外殻獣皮の縫い目、糸の継ぎ目も極めて細かく、やはりこれも、他の極北地方のカヤックには類を見ない。このような緻密で繊細な仕事を目の当たりすると「ウィリアム・ラフリン著アリュート民族」に記された、外科手術の件などうなずける。
 カヤックの展示方法として、内部構造を撮影した写真と説明文を付け加えることにより、より深い理解が得られると考える。

アリュートバイダルカの内部撮影(撮影・大矢京右)

舟首方向の構造(撮影・大矢京右) 舟首方向のキール・竜骨の接合部(撮影・大矢京右)

舟尾方向の構造(撮影・大矢京右) 舟尾方向のキール・竜骨の接合部(撮影・大矢京右)

リブ・肋材に渡す、ストリンガー・縦側桁材の接合部とその結束(撮影・大矢京右) 外殻皮の縫い目。糸止めと糸止めの間隔は約3cm

 写真最上段より 
【アリュートバイダルカの内部撮影】
【舟首方向の構造】  【舟首方向のキール・竜骨の接合部】
【舟尾方向の構造】  【舟尾方向のキール・竜骨の接合部】
【リブ・肋材に渡す、ストリンガー・縦側桁材の接合部とその結束】 (以上6点 撮影・大矢京右)
 写真最下段右
【外殻皮の縫い目。糸止めと糸止めの間隔は約3cm】

4) 青森・みちのく北方漁船博物館にて、青森県立郷土館・学芸課長・昆政明氏(同班研究員)の説明を受けながらムダマハギを熟覧。また、その操船道具である車櫂での操船練習を観察した。
 南西諸島のサバニ、極北のカヤックとの構造、操船の身体技法を比較する。いずれも現在、博物館などに収蔵されている、それぞれの舟の櫂の水を捉える部位・ブレードの最大巾は人の手のひら程度である。一見すると、そんな細い櫂で推進力が得られるのだろうかと思うが、実に効率よく、櫂に水を絡ませ推進力を得る工夫がなされている。この場合の効率とは、ただ単に漕ぐ早さだけを言うのではなく、さまざまな海況の中、舟の横流れ、転覆を防ぎながら、意図する方向へ舟を進めることができることだ。
 漕ぐという動作・道具のそれぞれの特徴を比較することも重要ではあろうが、人という動物がもつ身体特徴「継続した運動を続けながら、適正体温が維持できる」を念頭におき、今後の考察・実証を続けたい。

みちのく北方漁船博物館

 写真上【みちのく北方漁船博物館】

5) 青森県立郷土館・特別展にて、昆政明氏の説明を受けながら、洲崎遺跡より発掘された、丸木舟の残存部を熟覧。太平洋をはさみほぼ同緯度に位置する、温帯雨林・カナダ北西海岸に暮らす、先住民諸族の丸木舟・ダグアウトカヌーとの比較研究を今後の課題としたい。

丸木舟の底部と思われる その接合部(ちぎりの跡)

接合部材・ちぎり

写真左上より
【丸木舟の底部と思われる】 【その接合部(ちぎりの跡)】
【接合部材・ちぎり】

(洲澤 育範)

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調査(トカラ・奄美)

日程: 2010年  9月 4日 (土) -  9月 14日 (火)
調査地: 大島郡瀬戸内町/奄美市笠利町/大島郡龍郷町/十島村中之島・平島・小宝島
実施者: 板井 英伸

   3度目の調査だが、台風のため、今回も予定通りトカラ列島に渡れなかった。中之島・平島・小宝島の3島で調査予定が、中之島一箇所になる。有人7島すべてで同等の調査ができないのではないか、ということで、中之島を軸に調査することを考える。
   中之島での聞き取り調査は、漁業暦・漁場・漁法、および住民の通婚圏、戦後の開拓・入植事情について。
   奄美大島での調査は、瀬戸内町瀬相訪問の日程を変更した以外、ほぼ予定通り。内容は中之島と同様、漁業暦・漁場・漁法、および住民の通婚圏、戦後の人的移動、特にトカラ列島への開拓・入植について。
   用集落・円集落での聞き取りも同様。アラセツの時期にあたり、儀礼における社会構造についての聞き取りもおこなった。 (板井英伸)

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調査(山形) 【 最上川水運の歴史と造船・漕航技術 】

日程: 2010年8月27日(金)~8月30日(月)
訪問先: 山形県山形市~大石田町(山形県立博物館、山形大学、大石田資料館他)
実施者: 川田順造

  最上川水運は、東北地方と酒田港を通じての日本の他の地域とを結ぶ物流の動脈として古くから重要であった。用いられる舟も丸木舟から構造船のひらた舟、小鵜飼船などに至る変化をとげ、漕法も一部は帆を用いたが、水流の難所が多く、固定点をもたない櫂漕法を用いざるを得なかった。
  大石田は、最上川上流地帯の置賜、村山地方と庄内の酒田にいたる中継の結節地として、古くから船大工が技を競い、また舟運にたずさわる業者の組織も発達した。徳川時代以降はとくに酒田港を通じて、京都・大阪および江戸と東北地方を広く結ぶ物流の中継地として重要だった。日本の船文化の中での川船の文化技術を位置づける上で、大石田は重要な意味をもっている。 (川田順造)

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海外調査(タヒチ) 【 フランス領ポリネシアにおける伝統的船造りの現状について 】

日程: 2010年8月7日~8月14日
調査地: フランス領ポリネシア、タヒチ島およびライアテア島
実施者: 後藤明

フランス領ポリネシアにおける伝統的船造りの現状について

1 タヒチ島内、とくに東部のタヒチイティ地区南岸村落およびライアテア島におけるる、アウトリガー船の構造調査。さらにタヒチ博物館における展示カヌー資料、とくにアウトリガー構造の実見。
    この結果、前報告ようにアウトリガーの構造は船体の形態や材質あるいはアウトリガーのペグなどの材質変化にもかかわらず、きわめて保守的であり、100年以上ほとんど変化がないことがわかった。前報告とあわせタヒチ島、モーレア島、ライアテア島という風上列島の調査をほぼ終えた。

2 1975年の沖縄国際海洋博覧会当時タヒチで製造され現在沖縄の海洋文化館に収蔵展示されているタヒチ型ダブルカヌーについて、その材質を当時製作に関わった5人の船大工の一人の弟にあたるカヌービルダーから聞き取ることができた。材質に関してはほぼ特定が終わった。

3 カヌー文化復興に関連して、カヌーを教育に取り入れているパペーテ市内Samuel Raapoto高等学校で関係者の聞き取りを行った。この高校では海洋文化館とほぼ同型のカヌーの1/10の模型を製作し現在実験中である。成功すればさらに大型の模型を造り、最終的には実際に海で航行できるカヌーを製造する予定。そのために海洋文化館のカヌーはほぼ実物大の実例として今後参考になるであろう。このようにしてほぼ百数十年前に絶えたダブルカヌーの伝統が地元民によって復興する現状を調査できた。

4 カヌーの聖地とされるライアテア島タプタプアテア神殿遺跡の実地調査。この遺跡はフランス領ポリネシアのみならず、ハワイ、マルケサス、ニュージーランド、クック諸島、サモアなどポリネシア全域のカヌー文化復興活動家たちの聖地となっており、今後遺跡の調査や保存に協力していく必要性を感じた。(後藤 明)

ライアテア島で調査したアウトリガーカヌーの一例 パペーテ市内のSamuel Raapoto高等学校で復元され教育にも利用されているタヒチ型ダブルカヌー模型

【上左: ライアテア島で調査したアウトリガーカヌーの一例】
【上右: パペーテ市内のSamuel Raapoto高等学校で復元され教育にも利用されているタヒチ型ダブルカヌー模型】

〈関連文献〉 後藤 明 「海洋文化館収蔵ダブルカヌーの来歴についてーータヒチ型ダブルカヌーの文化的及び歴史的背景の考察」海洋博記念公園管理財団『海洋文化に関する事業報告』、2009年3月


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海外調査(ロシア)

日程: 2010年7月14日(水)~ 21日(水)
実施地: ロシア ハバロフスク州、アルセネボ村・シンダ村・ナイヒン村・ダーダ村・トロイツコエ村
実施者: 赤羽正春

○アルセネボ村(アムール川支流アニュイ川・シホテアリン山脈山麓の村)で少数民族ウデゲのアンドレイさん宅に民泊。オモロチカ製作と操船技術調査。
○アムール川流域シンダ村の少数民族ナナイのエッマさん宅に民泊。流域での生活と船大工から道具、アムール川の船・ムウとオモロチカについて調査。 
○アニュイ川がアムール川に注ぐナイヒン村、ダーダ村等調査。
○アムール川流域トロイツコエ村でムウの実物実測調査。

1 アムール川流域の船の形態と造船技術
 ① 支流アニュイ川やホール川上流部に居住するウデゲ人の持っているオモロチカという一人乗りの船は狩りや漁撈に稼働したが、4㍍余りの小さな丸木舟で、造船工程には日本のチョウナと同じ道具(ドシンク)が使われ、大木を刳るのに10日ほどの過程で、船が製作された。
 ② ウデゲの活動範囲は広く、峰を越えてホール川などへも進出しているが、オモロチカが引っ張って移動できることから、支流域では同じ形態のオモロチカがみられる。同時に、冬猟の山岳地帯から夏漁の鮭をねらって、アムール川本流に進出していたことが分かり、本流のオモロチカは板を合わせる船であったが、同じ形態をしていた。ナナイ人でシンダ村の船大工は、アムール川流域のオモロチカを専門に作ってきたことが分かり、造船の詳しい工程が判明した。
 ③ アムール川の交易船ムウは本流の各村で使用されてきた。作りは板を重ね合わせて留めていくクリンカービルド。大陸の造船技術で、使用材は朝鮮五葉松。操船は車櫂であるが、船の舳先部に近い所に6本の櫂をたて、大きな推進力を求めたようだ。帆の使用も確認できた。トロツコエ村ジャリの古老から、実物を拝見させて貰った。

2 アムール川流域で稼働した船の特定 
 ① 本流 → ムウ
 ② 支流 → オモロチカ、アニュイカ(家族で移動する船底部の飛び出した10㍍足らずの船)
 ③ 樺皮舟 → 戦前に姿を消したが、オモロチカと同じ使用のための船。

(赤羽 正春)

アニュイ川で使われているウデゲのオモロチカ

【アニュイ川で使われているウデゲのオモロチカ】




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平成22年度 第1回共同研究会

日時: 2010年7月11日(日)~12日(月)
場所: 神奈川大学 日本常民文化研究所 会議室
参加者: 後藤明、平井誠、川田順造、昆正明、板井英伸、赤羽正春、門田修、大西秀之、深澤芳樹、
      石村智、洲澤育範、宮澤京子
特別参加者: 岩淵聡文、中田達也、田村祐司、内田正洋(敬称略、東京海洋大学)
         角南総一郎(元興寺文化財研究所、共同研究グループリーダー)                

<昨年度の活動報告と本年度の計画>
 板井は奄美・沖縄および台湾付近の丸木船系船舶の発達過程に関しての図式を提示した。そして奄美のアイノコ、トカラのマルキブネ、沖縄のサバニ系船舶の発達関係に関する具体的図式を提案した。今年度はトカラ諸島を中心とした調査を継続する。
 赤羽は日本海および北日本の板接ぎ技術とアムール川流域の技術を比較し、アムール川の川舟ムウがオホーツク・日本海側へと伝播したとの仮説を提唱した。 また北方と南方の系統との遭遇といった視点から日本列島全体への展望も提供した。本年度はアムール川流域での調査を敢行する予定。
 昆は昨年に引き続き江戸時代以降の絵図に画かれた船の構造、操船方法などについて図のデジタル化の方法を検討する。この作業には考古学の立場から深澤が協力する。
 川田は最上川水運の中部拠点、大石田を再訪して、瀬戸内海型和船作り五代目の聞き取り、さらに大石田の博物館を精査、さらに日本海側特に越前から山陰の和船作りの調査と、南西諸島から沖縄の調査に行くことを計画。調査の眼目は、石塚尊俊報告などにある、日本海側西部のチキリ締めによる船板の接合法の系譜をたどり、蘭嶼ヤミ族をはじめ東南アジアの木の釘接合法などとの技術上の関係を考えこと、日本のいくつかの漕法の系譜を広い視野で再考する。
 門田と宮澤は昨年取材調査したヤップおよびマーシャル諸島というミクロネシアにおけるカヌー復興やカヌー学校の現状について映像を交え報告。本年も継続する予定。可能なら台湾やポリネシアへも調査範囲を広げたいという計画。
 洲澤は引き続き国内博物館蔵のカヤックおよび樹皮カヌーの計測と実測図の作成を行う。大西はそれに同行し北方民族誌の視点からの助言、さらに身体技法について現場で洲澤と検討を重ねる。  
 石村は昨年度からはじめた国内外博物館収蔵のオセアニア式カヌーの計測、実測図化を進める。本年度は沖縄の海洋文化館に収蔵されたニューギニア・スコーテン諸島のカヌーと同型の、南山大学人類学博物館の資料を後藤と共同で計測し報告を書く予定。

<12月の国際シンポジウムに向けて>
 2010年12月に行われる国際シンポジウムにむけて本班は「フネとカラダ」というセッションを担当することに決定。シンポジウムは120分と時間が限られているので、今回は船の操作法、とくに櫂や櫓の使い方と身体の関係を、昆、赤羽、板井の方から報告をしてもらい、それにたいし「船を撮る」視点から門田、「船を造り・乗る」視点から洲澤にコメントしてもらうことによって、船と身体の一体性、さらに民具や物質文化を研究する際の身体論の視点を開拓したい。

(後藤 明)

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調査(鹿児島) 【 奄美・トカラ地方の伝統的造船技術の基礎調査 】

日程: 2010年1月10日~1月17日
訪問先: 奄美市/鹿児島市/十島村中之島
実施者: 板井英伸

奄美・トカラ地方の伝統的造船技術の基礎調査

1月10日(日): 県立奄美図書館にて資料調査。白野夏雲 『十島図譜』、『七島問答』、赤堀廉蔵 『島嶼見聞録』、笹森儀助 『拾島状況録』等。
1月11日(月): 黎明館にて資料調査。奄美大島、種子島の丸木舟実見。県立図書館にて資料調査。十島村住宅地図等。尚古集成館にて資料調査。
1月12日(火): 県立図書館にて資料調査。『種子島家譜』等。
1月13日(水): 十島村教委、同村漁業にて資料調査。漁船規模・隻数等。
1月14日(木): 県立図書館にて用集落関連の資料調査。住宅地図ほか。関連地形図等購入。午後、黎明館訪問。トカラの丸木舟実見。
1月15日(金): 瀬戸内町立図書館。加計呂麻島を巡検。
1月16日(土): 龍郷町安木屋場集落訪問。追い込み漁「オヤカタ」と面会。隣接する円集落の同漁法についても情報提供。奄美市立歴史民俗資料館のスブネ実見。
1月17日(日): 笠利漁協。今後の調査協力ならびに用集落での話者紹介を依頼。

(板井英伸)

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