共同研究

2-1.民具の名称に関する基礎的研究

第2回国際シンポジウム・公開研究会第1セッションの所感

国際常民文化研究機構 第2回国際シンポジウム “モノ”語り-民具・物質文化からみる人類文化-
日時: 2010年12月11日~12日

司会、コメンテーターの神野善治氏と八重樫純樹氏

  私たちの研究班が今回のセッションで目ざしたのは、この1年余りで実施してきた作業を紹介し、チームが目指すところを具体的に明らかすること。民具の名称の問題は、30年来の基本的課題であり、かつ今後の展開に不可欠の課題であることを再認識することだった。その点では一定の共感が得られ、今後の展開に希望が持てるという感触を得た。本シンポジウムを通して、今後、民具の名称と形態と機能についての具体的話題を縦横に論じながら、モノと人間に関わるの根本的な課題を深化させ、かつ国際的な視点でも話題が展開できるようになることを願ったものである。

河野通明氏 佐々木長生氏の発表の様子 川野和昭氏

❂2日目 セッション I 「民具名称の諸問題」❂
(民具の名称に関する基礎的研究班 代表 神野善治)

第2回国際シンポジウム “モノ語り”-民具・物質文化からみる人類文化-の終了報告

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平成22年度 第3回共同研究会

日程: 2010年10月16日(土)~ 17日(日)
開催場所: 神奈川大学・日本常民文化研究所
参加者: 神野善治、川野和昭、河野通明、佐々木長生、佐野賢治、真島俊一、 八重樫純樹、石野律子、長井亜弓、
馬渡なほ、伊藤武司

上記のとおり、第3回の共同研究会を開催した。概略は以下のとおりである。

■会議内容(概略)
[第一日目]
・「作業報告および提案」(神野善治)
1)作業報告:前回研究会以降の事務局の作業を報告。今回は重要有形民俗文化財「越後奥三面の山村生活用具」の目録や、図録『アイヌの民具』などをもとに、ローカルな名称から共通名称を検討する作業を行った。国指定物件などよく整った目録や図録に基づいた名称検討の作業は、現物が特定でき有益であることを再認識する。今後も研究会メンバーによる作業と並行して、事務局側でもこれらの作業を行っていく旨、確認した。

2)提案「モノとカタチの分類について」:前回に引き続き、現在、武蔵野美術大学で進められている民具データベース作成のプロジェクトに関連し、民具を形態で分類する可能性を述べた。これは民具を材質の硬軟や、一次元(点)二次元(線)三次元(面)という形状から捉え直し、機能を整理しようという試みである。民具の共通名称を考える際、民具の定義は欠かせない作業であり、形態と機能による民具の認識は、本プロジェクトにとっても避けられない課題である。この両側面から本質に迫ることをめざしたい。

・「回転式除草機について」(石野律子)
標準名を特定する試みのひとつとして「回転式除草機」を取り上げ、全国の105の地域から名称を抽出。その結果を報告した。
回転式除草機を取り上げたのは、次の3つの理由による。①農具の中では画期的な発明のひとつで、全国的に広まったものであること(=全国どこへ行っても現物を確認することができる)②明治25年に発明され、その後に改良が進み機械化する道具であること(=明治後期以降の道具なので事例が多く見られる)、③例えば「鍋」や「箸」などと異なり、定まった呼称がないのではないか、地域差があるのではないかと推測。
なお、対象となる民具の形は、①回転式の刃(転車)が1個または2個付く。②転車2個の場合は直列に並ぶ。③手押しで前進する。④転車の回転方向は問わない。⑤素材の限定はしない。⑥先部分に舟が付いている場合も含むとした。
データの抽出は報告書や図録などの文献、インターネット検索、地元からの聞き取りを中心とし、電話で関係機関にも問い合わせることで、北海道から沖縄までの105の地域の名称を集めることができた。これを名称別に分類してみると、「タウチグルマ」(または類似の名称)が優勢であることがわかる。
標準名としては「回転除草機」も有力な候補だが、実際に使われてきた名称であること、名前からモノが見える呼称であること、全国的に多く使われているという事実を重ね合わせて考えると、「田打ち車」も有力な候補になり得ることが確認された。

・「箕が語る列島文化 北と南」(川野和昭)
これまで「片口箕」は北の文化、「丸箕」は南の文化といわれてきた。ところが南の地方にも、片口箕は存在する。違いはどこにあるのだろうか。どちらも一方に口が開き、似たような形をしているが、仔細に調べてみると、南の片口箕はすべて編み上げによって作られている。これに対し、北の片口箕は角を折り込むことで立体を形づくっているのである。これは、竹の文化を持つ南では編む技術が発達し、竹の育たない北では木の皮を利用して折って器物を作ってきたという歴史の違いによることが想定される。この違いに着目すると、南と北の文化の境界が整然と見えてくる。民具を通して、モノと人との関わりの歴史、文化の歴史を探ることができる。

・「地域関係調査研究支援システムの紹介」(八重樫純樹・伊藤武司)
現在、実用段階まで進んでいる研究支援ソフトを紹介。これは、データベースを共同で作成したり、分布図等を作成したりする際にも有効なシステムであり、多くの研究者に馴染みの深いMicrosoft Excel(エクセル)のフォーム機能が使えるため、汎用性が期待できるという。また、緯度・経度情報を入力することで、Google Earthなどの無料地図ソフトと連携させ、分布図を作成することも可能である。

[第二日目]

研究会の様子

・「民具名称一覧の作成作業」(全参加者)
改訂版の民具一覧表をもとに、今回は川野和昭氏が中心になって、鹿児島(奄美地方を含む)の民具情報を加えつつ、基本的な民具の洗い出しと分類についての意見交換を行った。今回討議できたのは「生活用具(衣食住)」と「生産用具(農業・山樵・漁撈・狩猟)」までだが、整理が必要な箇所や充実が求められる項目など、多くの課題が見つかった。

・今後の展開について意見交換
引き続き、基本民具一覧表の増補改訂を行う。事務局側では、文献目録を使った地方名の入力作業を行い、分類にしては「スキ・クワの分類」(河野)、「網の分類」(神野)を現在の課題として、次回以降の研究会で提案していく予定である。

以上

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平成22年度 第2回共同研究会

日程:2010年9月11日(土)~ 12日(日)
開催場所:神奈川大学・日本常民文化研究所
参加者: 神野善治、後藤晃、川野和昭、河野通明、佐々木長生、佐野賢治、真島俊一、 八重樫純樹、石野律子、長井亜弓、馬渡なほ

上記のとおり、第2回の共同研究会を開催した。 

詳細は添付参照

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平成22年度 第1回共同研究会

日程: 2010年7 月3 日(土)~4日(日)
場所: 神奈川大学 日本常民文化研究所会議室
出席者:神野善治、上江洲均、河野通明、後藤晃、佐々木長生、真島俊一、八重樫純樹、石野律子、高橋典子、市田京子、長井亜弓、馬渡なほ

平成22年度第1回の共同研究会を、2日にわたり開催した。
詳細は、添付報告書を参照。           

7月研究会報告

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平成21年度 第2回共同研究会

日程: 2010年3月25日(木)~26日(金)
場所: 箱根、神奈川大学

研究グループの研究会を、2日にわたり開催した。
詳細は、添付報告書を参照。         

箱根合宿報告書

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平成21年度 第1回共同研究会 および 資料調査(只見)

日程: 2009年11月6日 (金)~ 11月8日(日)
訪問先: 福島県南会津郡只見町
参加者: 神野善治、佐々木長生、上江洲 均、川野和昭、八重樫純樹、眞島俊一、佐野賢治、河野通明、後藤 晃、石野律子、馬渡なほ、三村宜敬

 奥会津地方で収集された豊富な民具コレクションに具体的にあたりつつ、標題の研究課題について、研究分担者、協力者が一堂に会して検討を行う機会とする。
 只見町には、国の重要有形民俗文化財に指定された山村の生産、生活用具が収集されている。このコレクションは組織的に調査、収集し、よく整理、保管がなされているものであり、地域の民俗文化については、これまでに神奈川大学日本常民文化研究所が調査を重ねているところでもある。この地域の民具については、体系的な把握が可能であり、標題の課題を検討するモデルケースとしてとりあげる。(神野善治)

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