本研究課題は、主に1930年代に渋沢敬三とアチックミューゼアム同人らによって撮影された「アチックフィルム・写真」を主たる研究対象として、
主に次の三つの問題を文化人類学、民俗学、メディア表象の観点から検討することを目的とする。
- モノという物質文化の問題
- モノと人との関係性(特にモノを介した身体技法)の問題
- 異文化(自文化)表象の問題
[目録番号 : ア-9-94]
特に、映像資料を軸に、新たな現地調査と多分野からの検討を加えることによって、「モノ」を中心とする供与性とその環境の中で作動する人の「身体」との相互作用や「表象」といった問題群に関する研究視点の深化にもつなげていきたい。
また本研究課題は、「国際常民文化研究機構」全体のデータベース整備事業と連携しつつ、「アチックフィルム・写真」という映像資料の文化資源化の可能性を探るという目的も合わせ持つ。中でも特定の地域に限定しながら、現地での上映会などを行い、現在保持している記憶やモノ、身体技法に関する調査を行う。フィルムや写真とその目録という資料を核に、こうした新しい調査データや、当時の調査団の行程表、現在残されている収集品など、多様なデータを統合的に整理する文化資源化の方法を検討する。
成果発表会
国際常民文化研究叢書8・10
□ 国際常民文化研究叢書8
—アチックフィルム・写真にみるモノ・身体・表象—[資料編]
2014年3月刊行
□ 国際常民文化研究叢書10
—アチックフィルム・写真にみるモノ・身体・表象—[論文編]
2015年3月刊行
氏名 | 専門 | 所属機関 | ||
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代表者 | 高城 玲 | たかぎ りょう | 文化人類学 東南アジア研究 | 神奈川大学 |
共同研究者 | 飯田 卓 | いいだ たく | 視覚コミュニケーションの人類学 | 国立民族学博物館 |
共同研究者 | 井上 潤 | いのうえ じゅん | 日本村落史 | 渋沢史料館 |
共同研究者 | 小島 摩文 | こじま まぶみ | 民俗学 民具学 | 鹿児島純心女子大学 |
共同研究者 | 清水 郁郎 | しみず いくろう | 建築学 文化人類学 | 芝浦工業大学 |
共同研究者 | 羽毛田 智幸 | はけた ともゆき | 民俗学・博物館学 | 横浜市歴史博物館 |
共同研究者 | 原田 健一 | はらだ けんいち | 映像社会学 | 新潟大学 |